新築で家を建てる際に、まず悩むのは「建売住宅にすべきか」それとも「注文住宅にすべきか」という問題。
そんなのどっちでもよくない!?
なんて野暮なことは言えません。
なぜなら、この一番の問題をどちらかに決めない限り、家づくりは一歩も進まないからです。
とはいえ最初は、そこまで両者の違いはわからないもの。
ということで、実際に新築注文住宅で家を建てた管理人が学んだ「建売住宅」と「注文住宅」の違いや、なぜ注文住宅に決めたのか?という背景も踏まえて、簡単にわかりやすく解説していきますので、是非とも参考にしてみてください。
※ちなみに家を建てる時には「坪単価」という言葉がありますが、これには何の根拠もありません。詳しくは以下の記事でご説明しているので、是非とも参考にしてみてください↓↓
【関連記事】注文住宅の坪単価は無意味で当てにならない?本当の意味は罠?>>
目次
新築の建売住宅と注文住宅の違い
建売住宅と注文住宅の定義は以下の通りです。
- 「建売住宅」・・既に家が完成した状態で土地もセットで売られている
- 「注文住宅」・・自身で用意した土地にイチから家を完成させていく
簡単にいうとこんな感じとなります。
要するに、出来上がった状態の家とセットになっているその土地をダブルで一気に購入できるのが「建売住宅」なわけです。
タイミングによっては建売住宅であっても、まだ家が建つ前に購入できますが、そのタイミングで購入したとしても間取りや外構はすべて規格で決まっているので、こちらの希望は通りません。
一方で、注文住宅の場合はこちらがイメージする間取りや外構の希望を具現化できます。自分たちの思う使い勝手の良い間取りや、今後の未来を予測した間取りを自由自在に決められるのが「注文住宅」なわけです。
「建売住宅」と「注文住宅」の一番大きな違いは、
- 「建売住宅」・・土地が付いてくる
- 「注文住宅」・・土地は自分で用意する
↑ここです。
でもお値段は、
- 「建売住宅」・・「建物」単体の値段は注文住宅よりも安い
- 「注文住宅」・・「建物」単体の値段は建売よりも高い
↑このような差があります。
「え?土地も付いてきて建物自体の値段も安いなら建売住宅のが全然良いじゃん!」
と、考えるのが普通と言えます。
とはいえ、双方に考えるべき点は多くあるのです・・。
新築の建売住宅と注文住宅|それぞれの費用
先程もお話した通り、費用については断然「建売住宅」の方が安いです。
こちらで土地を用意し有名ハウスメーカーで注文住宅を建てる場合よりも、土地付きの建売住宅を購入した方が安いというケースもたくさんあります。
みんな「建売住宅」買えばいいような・・
(出典:SUUMO)
↑例えば、こちらは都内で売りに出ている建売住宅ですが、土地付きで販売価格が4000万円を切っています。
一方、都内でそれなりに名の通っているハウスメーカーで注文住宅を建てるとなると建物だけで3000万円以上は確実なので、ほとんど変わらない価格で土地まで付いてくるのが「建物住宅」と「注文住宅」の費用対の差です。
新築の建売住宅と注文住宅|それぞれの段取り
実際に契約してから、その家に住み始めるまでの期間にも大きな差が生まれます。
- 「建売住宅」・・家が完成した状態で契約するので、すぐに住める
- 「注文住宅」・・契約後に家を建て始めるので6ヶ月~1年後に住める
結構運での差です。
注文住宅の場合は、別の記事でもお話していますが、ハウスメーカーと契約してからの大変さがあります。
【関連記事】新築注文住宅の引き渡しまでの流れや期間は?実体験から注意点も伝授!>>
新築の建売住宅と注文住宅|それぞれの特徴
「注文住宅」と「建売住宅」の特徴を簡単に示すと以下の通りとなります。
建売住宅 | 注文住宅 | |
間取り | 既に決まっている | 自由に決められる |
外構 | 既に決まっている | 自由に決められる |
費用 | 安い | 高い |
打ち合わせ回数 | 少ない | 多い |
引き渡しまでの期間 | 短い | 長い |
アフターサービス | 微妙(メーカーにもよる) | 手厚い(メーカーにもよる) |
断熱材の質 | 低品質 | 高品質 |
資材の質 | 低品質 | 高品質 |
大工の質 | 微妙(メーカーにもよる) | 良い(メーカーにもよる) |
「建物」だけの値段で比べたら建売住宅の方が断然安い!
その理由は何か??
それは、色々なところで「シワ寄せ」をしまくることで、チリも積もれば山となり、コストを削減できている、ということが挙げられます。
これは一例にしか過ぎませんが・・
- 木材などの資材は質を下げたものを大量に仕入れることで、コストカットが可能です。
- 家の性能の肝となる断熱材は高性能のものを使うよりも、ホームセンターで売っているものを買ってきて使ったほうがコストカットできます。
- 大工の質は家づくりの根幹です。良い大工はお給料の良い有名ハウスメーカー専属として働くことになる一方で、微妙な大工は建売住宅の建築を「1棟いくら」という形で低単価で請け負っていることが多いです。
↑要するに「材料費」と「人件費」を最大限にまで削ることで、低価格の建物を作ることが可能というわけです。
基本的に建売住宅やローコストハウスメーカーで使用される断熱材は、ホームセンターで大量に安く購入した低品質なものが使われます。
※参考
(出典:カインズホーム通販)
↑建売住宅やローコストハウスメーカーは、こうして安く仕入れたものに、少しのマージンを乗せていくわけです。
コストを削減していくには、「支出」を減らすこと以外にはないのです。
そのシワ寄せが「質が悪いけど安い材料」「腕がないけど安く雇える人材」などにつながっていきます!
新築の建売住宅と注文住宅|メリット・デメリット
建売住宅の建物価格が安い理由がわかったところで、「建売住宅」「注文住宅」のメリット・デメリットを見ていきます。
【建売住宅】
メリット
- 購入手続きが簡単
- 打ち合わせに時間を取られない
- もれなく土地も手に入る
デメリット
- 間取りや設備が自分の思うようにはできない
- 分譲地に同じ作りの家を並べて建てるため隣の家との境が狭くなりがち
- 着工時から建築の様子が確認できないため工事内容に不安が残る
- 低品質低コストのものを使うため長期間住めない可能性がある
【注文住宅】
メリット
- 間取りや設備が自分の思い通りに実現可能
- 着工時から建築の様子が確認できるため安心感と共に充実感を得られる
- 着工前に工事関係者とも顔を合わせるので一体感が生まれる
- 品質の良いものを使うため長期的に住める家が出来る
デメリット
- 打ち合わせにかなりの時間を取られる
- 自由が効く分、追加工事なども希望していくと費用が膨れ上がっていく
- 土地から用意する必要がある
次のセクションで「どんな人にはどちらがすすめなのか!?」を見ていきます!
新築の建売住宅と注文住宅|どちらがおすすめ?
メリットやデメリットは、人によってはそれぞれが逆になる場合もあります。
ご自身の価値観がどういったものであるかを、しっかりとイメージしながら「建売住宅」「注文住宅」を選択していくことが望まれるでしょう。
建売住宅がおすすめなタイプ
- 一戸建ては欲しいけど色々考えるのがわずらわしい
- どうせ住むならすぐにでも住み始めたい
- 土地をもっていない
注文住宅がおすすめなタイプ
- 自分の理想とする一戸建てを建てたい
- インテリアや設備にもこだわっていきたい
- 「品質の良いもの」を使い「腕の良い大工」に家づくりをしてほしい
- 土地をもっている(もしくはこれから購入予定)
- 既存の家をリフォームではなく建て替えで検討している
比較的めんどくさがりだという場合は「建売住宅」がおすすめです。
とはいえ、管理人も完全なるめんどくさがりタイプであり、最初は間取りや内装など正直どうでも良いと思っている人でした。
でも実際に注文住宅で家づくりをしてみて思ったのは、「自分たちの理想を具現化できることは素晴らしい」ということです。
家の中の導線ひとつ取っても、注文住宅であれば自由に実現可能なので、住み始めてから起こるであろう色々な事象をたくさんイメージしながら作っていくことができるので、住み始めてからのストレスがありません^^
新築注文住宅が高くなる理由
建売住宅やローコストハウスメーカーで話を聞くと、「有名なハウスメーカーは広告宣伝費にお金をかけているから価格が高い。なので実際にはモノは変わらない。」なんてよく言われますが、これはウソです。
別の記事でもお話していますが、アイダ設計にしろタマホームにしろローコストハウスメーカーの方がむしろCMをバンバン打ち広告宣伝費を使っています。
というわけで、新築注文住宅が建売住宅よりも高くなる理由は、やはり「質の良いものを使っているから」と「腕の良い大工を雇っているから」という2つがかなり大きいです。
あれだけ広告宣伝費をかけている中で、低コストを実現させるためには相当の企業努力(支出カット)が行われていることでしょう!
色々な助成金の手続きもすべて営業マンがやってくれたりしたので、そうした細部への気配りも注文住宅の良いところだと感じています。
建売住宅は住んじゃダメ?
管理人が注文住宅で家を建てたので、全面的に「注文住宅の良さ」をお伝えしてしまっていますが、だからといって建売住宅が100%ダメかというと、そうでもないです。
管理人の姉夫婦は数年前に建売住宅を購入していますが、先日遊びに行った際も、何事(瑕疵など)もなく生活していました。
務めている会社でも建売住宅を購入した者がいますが、快適に暮らしていると言っています。
ただ、これから10年20年と経過していった先に、もしかしたら差がでてくるのでは?とも思っていますが・・。
ということで、やっぱり「土地がないしそんなにローンも組みたくないし家なら何でも良い!」という場合以外は、注文住宅で建てることをおすすめします^^
まとめ
- 「建売住宅」・・既に家が完成した状態で土地もセットで売られているし建物自体の値段が安い
- 「注文住宅」・・自身で用意した土地にイチから家を完成させていくことが出来るが建物自体の値段が高い
- 「建売住宅」は契約後すぐに住める
- 「注文住宅」は契約してから半年~1年程住むまでに時間がかかる
- 建売住宅が安い理由は低品質の材料と人件費の削減により実現しているので「安かろう悪かろう」になるのは必然
- 頑張れば注文住宅も視野に入るという場合は、確実に注文住宅での建築をおすすめします
新築注文住宅を建てるにあたり、「どこまでこだわりを具現化できるのか?」については以下の記事でまとめていますので、是非とも参考にしてみてください↓↓
注文住宅を建てた管理人直伝↓↓
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