家づくりQ&A【初級】

木造と鉄骨はどっちがいい?ハウスメーカー探しで培った知識を全て公開!

投稿日:2019年9月17日 更新日:

注文住宅を建てる際に、ハウスメーカーを絞っていくのは必須ですが、そんな我々の前に立ちはだかる壁、それは「木造か!?」「鉄骨か!?」問題です。

最終的にはこの辺りを決めていかないと、ハウスメーカーを絞っていくことは難しいです。というか管理人の経験上、難しかったです^^;

最後は木造ではなく鉄骨に決めた管理人ですが、結論からいくと、正直今の時代、どちらを選んだとしてもさほど差はないように思われます。

どっちにも「良い面」「悪い面」があるので、あなたにとって「良い面」と思えるものが多い方を選ぶべきです。

ということでこの記事では、管理人がハウスメーカー探しの際に手に入れた「木造・鉄骨」の良し悪しをまとめましたので、是非とも参考にしてみてください。

木造と鉄骨はどっちがいい|耐震性

まずは気になる「耐震性」の違いについてですが、結論からいくと、木と鉄で耐震性が変わるものではないということです。

地震に強い家というのは、大きな揺れが来ても倒れない家であり、倒れない家とは・・

  • 柱と柱のつなぎ目がしっかりしている
  • 家を支える壁の面積が多い

↑これらがほとんど全てです。

「でも木造の方が倒れやすいイメージない??」という感覚は管理人も最初に感じていた疑問でした。

なんでこんなイメージになるかとうと・・

「木造」は柱を何本も使い、その柱と柱を金具で固定していきます。


(株式会社東葛ホームHP)

↑こんな感じで、柱と柱のつなぎ目は金具で結合されているわけです。

一方、「鉄骨」はというと・・


(セキスイハイムHP)

↑これは「鉄骨造」であるセキスイハイムの例ですが、鉄と鉄を溶接していく形となっています。もしくは場所によっては、鉄と鉄を太くて頑丈なボルトできつく締め上げていくわけです。

伝わりますでしょうか^^;

見た目にも木造の金具の方が何か取れやすそうな気がしてしまいます。まさにこのイメージこそが「木造」よりも「鉄骨」の方が耐震性が低そうと思われてしまうゆえんなのです。

東日本大震災や熊本地震など巨大地震で倒壊してしまった家は、まさにこの「結合部分の締付け」が弱かったことが原因としてわかっています。

鉄と鉄をきつく締め上げてる「鉄骨」住宅は、大きな揺れでも結合部がはずれなかったため倒壊をまぬがれました。

一方、「木造」住宅でも大工さんがしっかり仕事をしていた家は大きな揺れが来ても金具が外れず倒壊しなかった反面、仕事の甘い大工が施工した家は倒壊してしまったのです。

アドバイザー
アドバイザー
「木造」の場合、どうしても現場で大工さんが手作業で金具で木と木を結合させます。

そうすると、人によっては甘く金具をとめてしまっている可能性があるのです!

木造住宅の方が、倒壊率が高いのは、木が弱いのではなく、施工力が弱いことに他なりません!

そして、家を支える面が多ければ多いほど倒壊しづらくなります

木造で一般的になってきている「ツーバイフォー」という工法はまさに、壁を多くして、面と面で家を支える構造となっているので、東日本大震災や熊本地震でも、ほとんど倒壊せずに済んだのです。

鉄骨造であったとしても、この考えは適用されるため、セキスイハイムで鉄骨住宅を建てた管理人も、とにかく地震に強い家にしてくれ!とお願いしていたので、窓の割合は少なく壁の割合が多くなりました。

要するに、

しっかりとした大工が、柱と柱の結合部分をちゃんと施工してくれて、さらに壁の面積が多い家であれば、「木造」でも「鉄骨」でも耐震性は変わらないということです。

木造と鉄骨はどっちがいい|耐火性

「耐火性」についても、正直勝敗がつけがたい結果です。

木はイメージ通り燃えます。でも木は表面が焼け焦げるだけなので、倒壊はしないと言う意見もあります。

一方、鉄は燃えなさそうですが、軽量鉄骨のような鉄骨だと1000℃いく前にグニャっと曲がってしまうのです。

そして厄介なことに、ほとんどの「鉄骨系ハウスメーカー」は軽量鉄骨造。火災が起きた場合、その火は1200℃にも及ぶと言われてるので、グニャっと曲がってしまいます。

であれば、「木造」に軍配が!と思いきや、こちらをご覧ください↓↓


(株式会社トートク解体工事HP)

↑結局、火災の1200℃以上と言われる温度を前にすると、木は灰になってしまい支える力がなくなり倒壊してしまうのです。

というわけで、「木造」も「鉄骨」も火災の炎には勝てません・・。

これはどんなハウスメーカーでも同じです。

ということで、管理人も以下のポイントを押さえるようハウスメーカーにアドバイスをもらっています。

  • 近隣での火災の炎が壁を突き破って入ってくることはなく、もらい火の全ては開けていた窓などから自宅に入ってきて燃え広がることが原因
  • ということで、近隣で火災が起きた際は、必ず自宅の窓を全て閉めること
  • 窓にシャッターがあれば、それもしっかりと閉めておくこと

というものです。

ちなみに、自宅で起こしてしまった火事は、どんなハウスメーカーで建てていようがどうすることもできません。

なんせ1200℃とかいくのですから・・。

まずは火事を起こさない努力を最低限惜しまないことが一番大切ということです。

管理人宅は、そうしたリスクを大きく軽減するためにも「オール電化」の家にしています^^

木造と鉄骨はどっちがいい|遮音性

遮音性については「木造」「鉄骨」ともに良し悪しがあります。

「木造」は一般的に外部への音が漏れにくい反面、家の中に音が響き渡るので反響音が大きいと言われています。

「鉄骨」は一般的に外部への音が漏れにくくない反面、家の中の反響音は小さいとされています。

ただし、個人的にはどちらもそう変わりないという見解です。

なぜなら、「木造」「鉄骨」の違いは、あくまで柱が木なのか鉄なのかという点であり、壁の面はどちらも木であることが普通だからなので・・

こうしたことから、両者の遮音性にはさほど差はなく、むしろ、どれだけ窓をつけたかとか、大きくしたかとかで遮音性は変わっていくわけです。

音は窓から一番漏れますからね^^;

木造と鉄骨はどっちがいい|耐久性

「耐久性」に関してはどれだけ定期的にメンテナンスをしていたかによって、大きな違いができます。

「木造」だろうと「鉄骨」だろうとです。

ただ、固定資産税を評価しにきた人に聞いたところ、「木造よりも鉄骨の方が税金が高くなる」ということでした

  • 固定資産税が高い=>減価償却がされにくい=>価値が減りにくい

↑一応、こんな公式が成り立ちそうです。

ただし、この固定資産税評価額もどこまでちゃんとした基準の上での制度なのか、正直意味不明なところもあるので、話半分で良いとも思います^^;

木造と鉄骨はどっちがいい|気密性

気密性については「木造」の方が高いものが作れます。

やはり「鉄骨」で使う鉄は熱伝導率が高いため、外部と内部の熱が行き来しやすくなってしまうのです。

そうなると、気密性が木造よりも劣ってしまいます。

ただし注意が必要なのは、「木造」であれば全て気密性が高いかと言うとそうではないという点です。

ハウスメーカーの施工の良し悪しで断熱材と柱の間に隙間が空いていたりすれば、もはや気密性は担保できません。

アドバイザー
アドバイザー
これも施工する大工さんの腕次第ってことですね!

ちなみに、冬に三井ホームで宿泊体験をした管理人ですが、1階の部屋がめちゃくちゃ寒かったです。三井ホームは木造ツーバイフォーだったんですが。。

【関連記事】三井ホームで宿泊体験!住心地は高気密で高級感あり?>>

ということで、結局、「木造」だろうが「鉄骨」だろうが真冬は寒いし、真夏は暑いのです^^;

木造と鉄骨はどっちがいい|間取りの自由度

こちらもよく出る話ですが、「木造」の「在来工法」であれば一番間取りの自由度が高いです。

なんせ柱の位置など自由に決められるので、間取りも自由自在です。(※耐震等級などを意識すると柱の位置などにも制約がでてきます。)

とはいえ、地震大国の日本においては地震に強い「鉄骨」や「木造のツーバイフォー」が、これから主流になってきます

そうした際は、両者の間取りの自由度の差はほとんどありません

ちなみに一般的に「間取りの自由度が低い」といわれているセキスイハイムでさえ、管理人が建てた際には、ほぼ全ての間取りの希望を実現してくれたので(耐震等級3を実現した上で)、基本的にあまりにも奇抜な間取りにしたいという以外は、「鉄骨」や「木造のツーバイフォー」でも希望の間取りが叶うと見ています。

木造と鉄骨はどっちがいい|シロアリ被害

シロアリ被害は「木造」でも「鉄骨」でもありえます。

先程もお話した通り、柱に木を使ってるのか鉄を使ってるのかの違いだけで、壁面はどちらも木を使っているため、どちらもシロアリに食われる可能性は秘めてるのです。

ですので、管理人宅も1階部分には防蟻処理をしています。

ではどちらもリスクの大きさは同じかと言うと、そうではありません

「鉄骨」であれば壁の木を食われるだけなので、躯体が倒壊するなどの損傷は免れますが、「木造」の場合は柱が食われる可能性があるため、倒壊する危険性は秘めています。

こうした少しのリスク回避の可能性から「木造」よりも「鉄骨」の相場が高くなっているわけです。

木造と鉄骨はどっちがいい|メリット・デメリット

ここまでお付き合い頂き、「じゃあ結局どっちがいいんだよ!!」という声が聞こえてきそうですが、管理人には決められません^^;汗

もしどちらかを管理人が決めてもOKということであれば、管理人宅と一緒の「鉄骨」をおすすめするでしょう^^

そのぐらい、「木造」と「鉄骨」の差は大きくないのです。

それでもやはり「鉄骨」の方が施工不良の可能性は低くなるので、現場の大工とかあんま信用できない!という場合は、管理人のように工場でロボが躯体を全部作ってくれるセキスイハイムがおすすめとなります。

あとは、「木の匂いがするお家がいいわ~」なんて場合は「木造」のが良いでしょう。

メリット、デメリットをあえて言うなれば・・

【木造のメリット】

  • 費用が鉄骨に比べて安く済む
  • 気密性が鉄骨に比べて高くなる可能性がある

【木造のデメリット】

  • 施工する大工によって品質に差がでやすい
  • 家の中で音が反響しやすい

【鉄骨のメリット】

  • 工場のロボが躯体を作るので品質に差が出ない
  • 鉄の柱と鉄の柱を溶接してガッチリ結合するので地震がきても倒れない

【鉄骨のデメリット】

  • 気密性が木造に比べて低くなる可能性がある
  • 費用が木造に比べて高くなる

最終的には人それぞれの価値観によって決めることが一番良い家づくりであることが、実際に家を建てた管理人からアドバイスできることです^^

ちなみに現代では「ホームインスペクション」という機関も主流になってきています。

ホームインスペクションとは第三者の家のプロが施工中の手抜き工事を監視してくれるものです。こうしたところもうまく使っていくと、木造だろうが鉄骨だろうが、より良い家を作ることができます。

【関連記事】ホームインスペクションは新築注文住宅こそやるべき?不要?管理人が語る!>>

まとめ

  • しっかりした大工が施工しないと木造は地震で倒壊しやすい建物になってしまう
  • 耐火性は火災の1200℃の炎を目の前にしたら木造も鉄骨もない
  • 遮音性の差は窓の多さや大きさでかなり左右される
  • 耐久性は固定資産税評価額を元に考えると鉄骨の方が上
  • 気密性は一般的に木造の方が上
  • 間取りの自由度はこのご時世、「鉄骨」ても「木造」でも基本的に希望通りにいく
  • シロアリは木造、鉄骨ともに被害にあう可能性があるが、柱を木にしている分、木造の方は倒壊の危険性もでてくる
  • 最終的にはあなたの価値観に従って家を建てることが後々の後悔を避けられる可能性が高い

注文住宅を建てた管理人直伝↓↓

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